実務経験の証明に使う確定申告書を紛失した場合【東京都ルール】
建設業許可を申請する際には、専任技術者の要件として「一定の資格者がいる」もしくは「10年以上建設業の実務経験がある」という事が必要となります。
該当する資格があれば問題ないですが、10年以上の実務経験で証明する場合です。この場合、過去の勤務先で証明書を貰うか、個人事業主の経験であれば確定申告書の控えを使って証明する事になります。
ここでよくあるケースが「昔の確定申告書を無くしてしまった」というケースです。こういった時どのように対処するべきかを解説していきます。
この解説は東京都で建設業許可を取得する際のルールを基準にしておりますので、その他の都道府県のお客様はその点だけご注意下さいね。
【このページの目次】
税務署で確定申告書控えを再発行可能!
再発行してくれるのは直近7年前まで
開示請求をする前にやる事
開示請求手続きの流れ
確定申告書を写真撮影もできる!
閲覧請求の流れ
個人事業主として以外の経験モプラスにできる
このページのまとめ
税務署で確定申告書控を再発行可能!
過去7年分の確定申告書控えは再発行できる
確定申告書を紛失してしまった!こういった場合でも税務署に開示請求という手続きを行う事で、過去7年分の確定申告書を再発行してもらう事ができます。
こちらには、確定申告書を受け付けた日付等も記載されておりますので、建設業許可申請の際に経営業務の管理責任者の証明として十分使用する事が可能です。
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再発行は直近7年前まで
専技の証明は10年以上の経営経験
まず、選任技術者の必要期間について整理しましょう。
α取得予定の建設業種で10年以上の経験
β一定の資格を持っている
簡単に説明すると上記どちらかの人材が必要です。
取得予定の建設業種で10年以上の経験を証明する場合には
①過去の勤務先で証明書を発行してもらう
②個人事業主としての経験を自分で証明する
こちらのいずれかの方法があります。
状況により専技の証明が足りない事も
ここで注意したいのが、税務署が発行するのは「直近7年前までの確定申告書」という点です。それ以前のものというのは破棄されてしまいます。
例えば令和3年に過去7年の確定申告書の開示手続きを依頼したとしましょう。この場合、平成26年まで遡って確定申告書を再発行してもらえる事になります。
※発行を依頼するタイミングが年度を跨いでしまった際は多少の誤差があるのでご注意下さいね。
ではこの場合どんな事が問題となってくるのでしょうか?
税務署に控えがある年度を紛失していた場合
先ほど税務署では過去7年分の控えが保管してあると申し上げました。こちらは税務署の控えを用意すれば何とかなったケースです。
年度 | 自分の控 | 税務署の控 |
令和2年 | ✕ | 〇 |
令和1年 | ✕ | 〇 |
平成30年 | ✕ | 〇 |
平成29年 | ✕ | 〇 |
平成28年 | ✕ | 〇 |
平成27年 | ✕ | 〇 |
平成26年 | ✕ | 〇 |
平成25年 | 〇 | ✕ |
平成24年 | 〇 | ✕ |
平成23年 | 〇 | ✕ |
このように、税務署が控えを破棄してしまう古い年度の分は手元にあったというような場合、税務署の控えを併せて10年分の確定申告書が用意できるので何とかなります。
古い年度の確定申告書の控えが無い…
次に、古い年度の確定申告書を紛失してしまったというケースです。この場合はどうなるのかまず表を見ながら確認をしてみましょう。
年度 | 自分の控 | 税務署の控 |
令和2年 | 〇 | 〇 |
令和1年 | 〇 | 〇 |
平成30年 | 〇 | 〇 |
平成29年 | 〇 | 〇 |
平成28年 | ✕ | 〇 |
平成27年 | ✕ | 〇 |
平成26年 | ✕ | 〇 |
平成25年 | ✕ | ✕ |
平成24年 | ✕ | ✕ |
平成23年 | ✕ | ✕ |
上記の図をご覧頂くと、税務署の控えを用意したとしても最大7年までしか確定申告書はそろいませんよね。よって、自分だけでは実務経験を証明できないという事になります。
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開示請求をする前にやる事
まず税務署に問合せていつまでの控えが出るか確認!
開示請求をするタイミングによって、確定申告書が必要な分そろわない可能性がある事を説明させて頂きました。
開示請求をする際は、税務署に対して現時点で何年迄確定申告書の控えが出るのか事前に確認すると、無駄な手続きをしなくていいと思います。
開示請求手続きの流れ
確定申告を提出した税務署で行う
開示請求の申請は確定申告書を提出した税務署で行います。直接窓口で申請してもいいですし、郵送でも大丈夫です。
【窓口での必要書類】
〇保有個人情報開示請求書
〇身分証明書(運転免許証や健康保険証)
〇手数料300円
【郵送で行う場合】
〇保有個人情報開示請求書
〇身分証明書(運転免許証や健康保険証)
〇住民票(マイナンバー無し)
〇印紙300円
〇返信用封筒
【代理人が請求する場合】
代理人が請求する場合は上記に加え
〇委任状 実印を押印
〇印鑑証明書
〇代理人の身分証明書
関連リンク
保有個人情報開示請求書はこちらからダウンロード可能です。マイナンバーの有無で書式が変わるので注意下さいね。
開示請求の手続き 国税庁
必要期間
上記の書類を提出してから1カ月程度が目安です。
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確定申告書を写真撮影もできる!
閲覧請求で確定申告書を写メできる
申告書を提出した税務署に対して「閲覧請求」という手続きをする事で過去に提出した確定申告書を確認する事ができます。
控えを再発行する開示請求と異なり、開示請求は当日内容を確認する事ができます。この閲覧請求ですが、内容を確認するだけではなく、写真撮影をする事も可能なのです!
経営経験の証明が写メで代用可能な事も
原則経営経験の証明は確定申告書の控えですが、写真撮影したものを印刷する事で代用可能な場合もあります。もちろん写真写りにもよりますが。
開示請求で控えを貰う時間が待てない!こういった方は開示請求をしてみて、写真を印刷して建設業許可申請窓口に相談にいってもいいかもしれません。
ただ、開示請求は申告書を提出した税務署に行く必要があるので、遠方の税務署の場合は難しいですね。
閲覧請求の流れ
確定申告を提出した税務署で行う
開示請求の申請は確定申告書を提出した税務署で行います。手続きは直接税務署窓口で行います。
【必要書類】
〇申告書等閲覧申請書(税務署にあります)
〇身分証明書(運転免許証や健康保険証)
【代理人が請求する場合】
代理人が請求する場合は上記に加え
〇委任状 実印を押印
〇印鑑証明書
〇代理人の身分証明書
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個人事業主として以外の経験モプラスにできる
従業員だった時期の実務経験もプラスになる
例えば、開示請求をした結果、確定申告書の控えが7年分しか用意できなかったとしても、過去の勤務先から実務経験の証明書を貰う事で実務経験をプラスする事ができます。
本当は10年個人事業主として経験があるが、確定申告書は7年分しかない。であれば残り3年を下積みしていた会社に実務経験として証明してもらえばいいのです!
とはいえ注意点があります。
〇証明する会社がその期間建設業許可を持っていた事
〇証明する会社で社会保険に加入していた事
この二つが揃う事が大事です。
東京都の場合は、
「実務経験を証明する会社が本当に建設業をしてたの?」
これを証明する為に、証明期間に建設業許可を持っていたかを確認されます。そうでないと、何でもありになってしまうからです。
もちろん、この期間に建設業許可を持っていない場合の方法もあるにはあるのですが、いろいろ準備する資料もあるので現実的ではありません。
「本当にその会社に所属していたの?」
これを証明する為に、証明期間の社会保険の加入記録を提出する必要があります。一昔前は社会保険に未加入の建設会社が多くありました。証明期間が古くなればなるほど難しいかもしれません。
ちなみに、千葉県の建設業許可のルールでは社会保険の加入記録までは要求されていません。そういった意味では、千葉県に事業所を出して千葉県で建設業許可を申請するのも手でしょう。
これらを整理して、専技の管理責任者の証明ができるかしっかり整理しましょう。
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このページのまとめ
いかがでしょうか?専任技術者の証明としての確定申告書を紛失してしまった場合、税確定申告書を提出した税務署に
開示請求 申請から1カ月程度で控え7年分を貰う 郵送可能
閲覧請求 申請当日に内容を確認して写真撮影可能 税務署窓口のみ
という方法があると解説しました、また、閲覧請求で写真撮影した場合は写りや役所別の取り扱いもあるので、事前に建設業許可窓口で確認してください。
また、税務署は過去7年分しか控えを保存しておらず、申請のタイミングによって必要期間分が破棄されている可能性がありますので、事前に確認するようにして下さい。
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